世界のコンテンツ産業について勉強していた折、世界の・そして日本のマンガプラットフォームのトップ2はピッコマとLINEマンガだと知った。
ピッコマはカカオが運営、LINEの母体はNAVERなので、韓国2大ウェブプラットフォーマーが世界のウェブトゥーン市場を牽引しているということになる。
ウェブトゥーンは元々、オンラインでの配信を前提に設計されている縦スクロールのフォーマットであり、多言語対応を前提としていることもあって地域・言語の制約を受けにくい。
大ヒットすればドラマ化・映画化といった億万長者の夢にもつながるせいか、現在韓国ではアマチュアのウェブトゥーン作家が60万人近くもいるそうだ。
このウェブトゥーン 웹툰 が始まったのが2003年、オンラインデジタルコンテンツ産業振興法が制定された時期にウェブ漫画プラットフォームが立ち上げられたことがきっかけだったそう。
Kポップしかり、韓流ドラマしかり、そしてウェブトゥーンしかり。韓国発のコンテンツがなぜここまで世界に輸出され受け入れられているのか、それは1998年からの金大中大統領の文化政策 문화정책 という、"文化"を外国に輸出していこうという政治主導の取り組みに遡る。
(ときを同じくして大衆文化開放 대중문화개방 により日本文化の韓国への流入が起きたのも大きな同じ流れの一環に位置づけられる)
そしてそもそも1998年に大きな政策転換がなされた原因となったのが、韓国にとって国家破産という一大事であった、1997年のアジア通貨危機 아시아 금융 위기 である、のだそうだ。
なにごともだが、どうにもならない大きな危機に遭遇すると人も社会も大きく変化すると思う。
日本もこのまま1ドル200円くらいになって、円が紙クズと言われるようにでもなったら、なにか変われるのかもしれない。