韓国語の先輩たちが口を揃えて言うことだが、韓国語のボキャブラリーを増やすのに非常に役に立った覚え方。
それは、「韓国語(の漢字語)は、漢字で覚える」というもの。
韓国語の単語には大きく3つのルーツがある。
漢字が伝来する前から使われていた「固有語」、中国語にルーツを持つ「漢字語」、それと外来語。
日本でも、いわゆる「訓読み」に相当するのがもともとの”やまとことば”であり、音読みないしは熟語に相当するのが韓国語における漢字語。
ひと ≠ 사람 ←固有語
人間 = 인간 ←漢字語
つまり、日本語におけるほとんどの熟語は、韓国語における漢字語だ、と言える。
たとえば、
確実=확실 。これを、1つの単語で終わりにせず
確=확
実=실
この対応づけを覚える。
すると、
確率=확률
確信=확신
正確=정확
あるいは
事実=사실
実行=실행
忠実=충실
となり、
率 률 信 신 正 정 事 사 行 행 忠 충
と、芋づる式に覚えていくことができる。
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ここでさらにポイントとなるのが、
日本語の熟語と一見対応していないように見えても
韓国語で漢字語の場合、漢字をルーツに持っているということ。
たとえば、紅葉を表す 단풍. これは、元が「丹楓」という漢字。
ピンク色を表す「분홍색」は「粉紅色」という漢字から来ている。紅色を粉にしたおしろいのようなものがルーツだと、どこかに書いてあった気がする。
遠足を表す「소풍」は「逍風」。風にあたりながらぶらぶらする、しみじみとしたニュアンスが感じ取れる。
形容詞や動詞で言うとたとえば
당황하다, 당황스럽다 も、「唐慌」で覚え
울적하다も、「鬱寂」で覚える。
ちょっとひっかかりやすいのが、たとえば
日本語の「罪悪感」は、죄악감 ではなく、「罪責感」죄책감 となったり
日本語の「達成感」は、달성감 ではなく「成就感」성취감 となったりする点。
こういう細かいニュアンスの違いに出逢うと、語学ってほんとうに奥深くしみじみと楽しいなと思える。